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ロランは1940年代から米国で実用化され、またデッカは第2次世界大戦中ノルマンディー上陸作戦に初めて実用として使われ大成功を収めている。

人工衛星が初めて宇宙通信に用いられたのは、1960年8月12日米国が打ち上げたエコー1号であるが、人工衛星によるテレビの中継は受信波を増幅して指向性アンテナで目的の方向に再送信する機能を持つ1962年7月に打ち上げられたテルスター衛星によるものが最初であった。1964年の東京オリンピックでは、シンコム3号静止衛星による世界最初のカラー連続テレビ中継が行なわれた。

 

NNSSはSSBNの慣性航法装置を正確に維持するために開発された人工衛星航法システムで、1967年民間にも開放された。GPSはNNSSより格段に優れた航法システムで地球上何れの場所においても3次元の位置を正確に求められる人工衛星航法システムである。

GPSも国防総省(Department of Defense:DOD)により軍事目的のために開発されたが、その後民生用にも開放されている。開放されているといってもDODの管理する人工衛星群から民生用電波と極秘分野の軍事電波が出され、混信が起きないよう周波数の割当てはDODとDOTからなる省間GPS理事会(Interagency GPS Executive Board:IGEB)で調整されている。

しかし、軍事用も民生用もGPSの用途は増加し、ますます精密化が要求されるなか、DODは21世紀の初期にGPSの抜本的グレードアップを計っている。ちなみに、2004年から32隻発注されるDD21の主砲から打ち出される砲弾はもはや昔日の如き砲弾ではなく、第1図に示すごとくミサイルのようにGPS誘導された命中精度の高いものである。

 

 

 

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