つまり1970年代初期は第2次世界大戦で力をつけた民間造船業の実力は未だ温存されており、一方民間舶用工業も海軍に供給する実力を持つ会社が多数出始めてきた時代である。
米海軍工廠は舶用工業にとっても興味ある存在であり、第1表に1990年の時点で存在した8つの海軍工廠の歴史、使命、規模、現状等を示す。1990年議会は冷戦構造の終結を踏まえて、基地の閉鎖について一連の手順を設定した。この手順は5年間有効で、大統領の指名する8人の基地閉鎖委員会委員は隔年(1991、93、95)ごとに閉鎖対象基地を提案することとなった。その結果、8つの海軍工廠のうち4つが閉鎖されることになり、194年の歴史を持つフィラデルフィア海軍工廠は1995年9月30日、チャールストン及びメア・アイランド海軍工廠は1996年3月31日、ロングビーチ海軍工廠は1997年9月30日に閉鎖された。
