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しかし93年末頃から、グダンスク造船所はLatvian Shippingとの間で、同社が発注した11,300m3型冷蔵船をめぐり、長期にわたる紛争を続けている。冷蔵船市場が下降に向かうと、船主は契約条件の見直しを申し入れ(契約総額は1億7,000万米ドルといわれる)、各船について第1回支払分を支払っただけで以後の支払いを停止した。それ以来グダンスク造船所は救済を求め、その債権主張を担保するために、多数のLatvian Shipping所有船が差し押さえられた。紛争はまだ係属中で、グダンスク造船所は1999年12月、倒産したLatreefers Inc.の管財人に6,000万ドルを請求する訴えを起こした。(LatreefersはLatvian Shippingの子会社で、当初これらの船舶を発注した船主である。)

 

3.4 その他の造船所

Cenal造船所:

以前グダンスク造船所の一部であった設備を使用している民有のCenal造船所 は1996年に設立された。設立主体はCentromor(持分60%)と修繕船企業Alkor(40%)である。当初からこの造船所は、北欧船主向けの、漁船、フィヨルド航路用フェリー、小型特殊船を建造している。建造設備は、横向き進水式船台1基、浮ドック2基(うち1基は揚げ能力7,000トン)、内業工場2棟となっている。この造船所で建造される小型船はクレーンにより、また、やや大型の船舶はポンツーンを使用して進水される。

Cenalは1998年に利益を計上し、納期が正確で、そのため同じ船主からの再発注があるので、経営陣は99年も同じような業績を予想している。同社は事業範囲を拡大する意向はないようで、国内の他造船所向けの船殻建造と漁船建造という現在の事業に集中するものと見られる。

 

Stocznia Polnocna:

Polnocna造船所の設備は、98年1月に同社の株式の40%を取得したGdanska Stocznia Remontowaに隣接している。Stocznia Polnocnaは、90年代に事業活動を多角化し、商船建造の比重を高めた。91年にはまだ建造船舶すべてが艦艇だったが、97年と98年は逆にすべて商船という状況に変った。

近年、漁船が同造船所の竣工量の約半分を占めているが、タグ、フェリー、小型の多目的コンテナ船なども建造している。99年には12隻分の船殻を完成したが、その詳細はまだ明らかになっていない。

 

 

 

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