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うち1隻は両頭型車両/旅客フェリー"Finnoy"用にRemontowaから下請受注したもので、ノルウェー船主からの3隻一括受注のうちの1隻である。

 

Kedzierzyn-Kozle、Tczew、Wroclawなどにも小型造船所が存在しているが、一部ではオランダの造船所の下請で事業を行っている例もある。これらポーランドの中小造船所は、大手造船所と異なり、外国から信用保証をなかなか取り付けられないために、90年代には深刻な困難に直面した。また、国内の修繕船工場の一部でも、限られた範囲内で、新造船活動が行われている。

 

3.5 修繕ヤード

Gdanska Stocznia Remontowa:

この企業は1990年代末には21社からなる事業グループに発展している。傘下企業には、93年5月に51%の持分を取得した、アルバニアのDurresも含まれる。Remontowaは99年1月に株式会社の法人格を取得、経営首脳部によれば、ポーランド政府は2000年末までに同社を民営化する意向ということである。

過去10年間、同社は年間約200隻を修繕し、ヨーロッパで最大級の修繕ヤードの一つに数えられていたが、90年代半ば以降、当時の修繕船市況の低迷に対応する意味もあって、全力を挙げて多角化を進めてきた。現在では改造船と海洋構造物にも参入している(両部門合わせて年間10隻前後)。限られた範囲内ではあるが、新造船も手掛けていて、年間3隻程度を建造している。またポーランド国内の他の造船所のために特殊工事も行ってきた。

最近の例として、99年7月に完了した、40,000DWT型"Campos Transporter"をブラジル沖で稼動するシャトル・タンカーに改造した工事がある。これは広範にわたる鉄構工事、可変ピッチ・プロペラ、船首・船尾スラスタ、DPSの装備を伴うものであった。98年にはアフラマックス型"Wilma Yukon"(99,000DWT)を北海油田のノルウェー水域向けシャトル・タンカーに改造する工事を実施した。工事の内容は、船首積込装置、可変ピッチ・プロペラ、スラスタ、DPS、補助機関の装備等である。

 

 

 

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