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現経営陣は売上げの大幅拡大を目指している。98年度年次報告書では、売上げを同年の3億7,300万米ドルから2003年には7億米ドルまで引き上げる目標を掲げている。同社によれば、現在利用可能な能力(グダンスク造船所を含む)をすべて活用すれば、この目標は達成可能だという。

1994年以降、グディニア造船所はコンテナ船建造で顕著な実績を示している。当初は1,900、2,100TEU型前後の船舶を受注していたが、その後1,100TEU型のフィーダー船も受注するようになった。90年代末期になると、同社はコンテナ船建造ではヨーロッパでも大手の一角を占めるようになった。98年の竣工量は21,300TEU、デンマークのオデンセ造船所に次いでヨーロッパ第2位のコンテナ船建造実績である(シチェチン造船所の実績は19,588TEUで第3位)。また同年グディニア造船所は、世界全体でもコンテナ船建造で第8位を占めた。

その他の船種では、92−94年に、フランス船主Louis Dreyfus向けに、ケープサイズ撒積船をシリーズで建造している。その第1船("Pierre L.D."号)は92年4月に引き渡されたが、165,000DWTの同船はポーランドでかつて建設された最大の船型である。しかし、契約船価が低く、しかもポーランド政府が造船助成を撤廃したので、グディニア造船所はこの連続建造で大幅の赤字を背負い込んだ。94年以降、同造船所ではこの種の船舶を建造していない。

90,000DWT前後のアフラマックス型タンカー4隻を90年代前半に引き渡したが、韓国の新造船能力拡張により、グディニア造船所はこの市場から締め出されてしまった。2000年1月には105,000DWT型タンカー1隻を引き渡したが、それまで5年以上にわたってアフラマックス型の竣工は1隻もなく、また現在の手持工事にも1隻もない。しかし液体バルク貨物輸送用船舶は同社の手持工事で大きな比重を占め、その中には75,000m3型LPGタンカー2隻、21,000DWT型ケミカル船4隻などがある。これらのLPGタンカーはノルウェー船主向けで、78年以来同造船所で建造される最初のLPG船である。(グディニア造船所のLPGタンカー第1船は1974年に建造され、これによりポーランドは、日本、フランスに次いで世界で3番目にLPG船の建造国となった。)

 

 

 

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