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船舶設計:

近年に建造された船種の主なものは以下の通り。

 

・1,100TEU型フィーダー用コンテナ船(同造船所の呼称では「8125型」):第1船は95年11月に引き渡された。甲板には150個の冷蔵コンテナ用コンセントが配置されている。貨物収納・荷役設備は大型船と同様に設計され、航海速力は18.7ノットとなっている。

・自動車専用船:初めて手掛けた船型で、第1船は99年にLeif Hoeghに引き渡された。同造船所で自動車専用船が建造されるのは70年代末期以来のことで、その後他の船主からも受注した。同船の積載能力は6,200台、甲板12層で、軽量、重量いずれの車両も積載可能である。世界的に自動車専用船の老齢化が進んでいるので、グディニア造船所ではこの部門への復帰を目標の一つとしている。

 

グダンスク造船所の買収:

破産したグダンスク造船所をグディニア造船所に売却するに当たって、一つの条件はグダンスクの設備を徹底的に近代化、再開発するということだった。新オーナーはこれを2010年までに実現することを公約し、そのためには8,000万ないし1億ドルといわれる投資が行われる予定である。その一環としてグダンスク造船所に乾ドック1基の建造が予想され、それが実現すればグディニア造船所との生産活動統合を促進することになる。両造船所では建造方法が異なり、グダンスクではクレーンの揚貨能力の制約(150トン)から、小ブロック単位の建造を行っている。グダンスク造船所の経営陣は、どんな再開発を実施するにせよ、乾ドックはその本質的な側面をなすものと考え、Ostrow島に、乾ドック1基と関連設備から成る新規ドック・センターの設置を目指している。この工事に2000年から着手するとしている。完成の暁には新造船活動はすべて、現在の都心部の事業所ではなく、Onslow島で実施されることになる。新設の乾ドックとしては、長さ250メートル、幅70メートルで、50,000DWT型まで建造可能な規模のものが計画されている。

 

その他の取得資産:

グダンスク造船所以外にグディニア造船所が現在までに取得した資産としては、グダンスク所在のエンジニアリング会社Mostostal S.A.の株式のみである。同社は海事産業、オフショア工事、その他各種産業向けの鉄鋼構造物の建造と組立てに特化している。

 

 

 

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