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最近の展開:

1990年の共産党支配崩壊の後を受けてポーランドの権力を掌握した「連帯」主導の政府は、重工業の支援措置に熱意を示さず、国内の新造船・修繕ヤードを含む、国有企業の民営化に向けて遠大な計画に着手した。1990年代末までに、完全に民営化されたヤードは皆無であるが、この状況は今後12ヵ月のうちに変化する公算が高い。

1990年以降、建造量が大幅に回復したにもかかわらず、ポーランドの大手造船所の大半は90年代前半に深刻な経営難に陥った。その危機は96年のグダンスク造船所の倒産で頂点に達した。造船業が重い債務を負ったことで、以下のような動きが生じた。

 

・外国の造船企業が倒産したグダンスク造船所の買収に乗り出したが、不調に終った。1998年にグディニア造船所(同社自体、1991年にはKvaernerに買収されようとした)とEVIP Progress S.A.による買収が決まる前に、社名は明らかにされていないがノルウェーと韓国の資本が名乗りを上げたといわれる。

・1994年と96年にはポーランド国内造船企業の少なくとも一部を一本化しようとする動きがあったが、不発に終った。

・1997年にシチェチン造船所がグディニア造船所の買収を試みた。

 

しかしながら、現在では運命は完全に逆転し、2000年初めには、ポーランドの造船所が他国の新造船設備の買収計画に関わっているとされるまでとなっている。1998年にグダンスク造船所を買収したコンソーシャムの有力メンバーであるグディニア造船所 は、フィンランドのヘルシンキとトゥルクに造船所を持つKvaerner Masa‐Yardsに関心を示しているとされている。2000年1月にはシチェチン造船所がブルガリアの倒産したVarna造船所の買収に名乗りを上げた。

 

 

 

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