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20. グディニア造船所はポーランドで最も近代化の進んだ造船所として一般に認められ、また船台でなく建造ドックで新造を行う唯一の造船所である。実績はないが、400,000DWT型までの船舶を建造可能である。

21. グディニア造船所は最近コンテナ船とケミカル・タンカーに特化しているが、手持工事にはRO/RO船やLPGタンカーも含まれている。過去にはアフラマックス型タンカーやケープサイズ撒積船を建造した実績もある。

22. グダンスク造船所の買収により、グディニア造船所は待望の能力拡大を実現し、1999年にはコンテナ船受注の一部をグダンスク造船所と分け合うようになった。

23. グディニア造船所の経営陣は、将来グダンスク造船所に冷蔵船、コンテナ船、50,000DWT以下の撒積船を建造させようと考えているといわれる。グディニア、グダンスク両造船所を合わせれば、年間20隻前後の建造が可能である。

24. ポーランドの新造船・修繕ヤードは、政府の国有産業売却の方針に従って、民営化が進んでいる。各ヤードの処分はまだ完了していないが、2001年までには一部の造船所の民営化が実施される予定である。

25. 主要新造ヤードのうち、建造量が最も多かったのがシチェチン造船所で、グディニア造船所の年間10隻程度に対して、18−20隻を引き渡している。グダンスク造船所の竣工量は、1996年の倒産以降、年間2隻前後にとどまっている。

26. 近年、シチェチン造船所は事業拡大を進め、多数の企業を買収しているが、新たに買収した企業の中にはStocznia Ustka、StoczniaPort-Odra両小型造船所、部品メーカー数社も含まれている。

27. ポーランドでは修繕業が高度に発達していて、これもやはり、主としてグダンスク、グディニア、シチェチン周辺に立地している。Gdanska Stocznia Remontowaはヨーロッパ第2の規模の修繕ヤードで、改造船も手広く行っている。1996年には、新造専門の子会社Stal Remを傘下に置いた。

28. ポーランドはまた、ヨーロッパ有数の舶用ディーゼル機関メーカーH. Cegielski-Poznanの活躍でも知られている。同社はWartsila NSDとMAN Diesel A/Sのライセンスを得て2サイクル、4サイクル機関を製造している。

29. グディニア造船所、シチェチン造船所とも、国外の新造ヤードの買収計画に関与してきた。1999年末近くにグディニア造船所はフィンランドのMasa−Yardsの買収についてKvaernerと交渉し、またシチェチン造船所は2000年1月にはブルガリアで倒産したバルナ造船所の買収に名乗りをあげた。

 

 

 

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