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出所) カンボジア公共事業・運輸省

 

(3) 内陸コンテナ集配所

カンボジアのコンテナ輸送は急速に進展している。コンテナ輸送の中心は、シアヌークビル港である。政府は、プノンペン近郊および国道4号線(アジア・ハイウェーA11号線)沿いに内陸コンテナ集配所(ドライ・ポート)を設置する事業をシアヌークビル港湾局との合弁で行うデベロッパーを募集中である。ドライ・ポートの主目的は、国内および国内貨物のコンテナ化を最大限進めるためである。

97年に操業を開始したドライ・ポートには、面積6ヘクタールのコンテナ・ヤードが含まれている。近い将来、このコンテナヤードはさらに19ヘクタールの敷地、倉庫、管理事務所が追加されることになっている。このドライ・ポートでは、シアヌークビルからのコンテナ貨物の80%(およそつき800-900TEU)が取り扱われる見込みである。

 

4. シアヌークビル港をめぐる動き

4.1 シアヌークビル経済特区

カンボジア国内、インドシナそしてさらに遠く離れた市場へのアクセス地点としての要衝の位置にあることから、シアヌークビル開発はカンボジア経済の起爆剤として期待されている。

1994年に行われた民間コンサルタントによるフィージビリィティ調査は、シアヌークビル市街の北西端からカンポン湾に沿って、長さ約10キロメートル、面積約1,000ヘクタールの工業団地を描いている。

この工業団地は、一般工業団地、輸出加工・自由貿易区、工場管理者向け居住区から構成されている。工業団地は、0.5から4ヘクタールに分譲され、これらの地域には鉄道および道路が建設される。不動産のリース期間は70年で、更新可能とする計画。

政策上の最優先は、労働集約型産業を誘致することである。98年10月時点で、すでに縫製業が4工場、履き物工場が1工場立地しており、さらに2工場が政府の認可待ちになっている。

もう一つの重点は、林産品加工工場の誘致である。将来的には、農産品加工業や消費財製造業も誘致していくこととしている。

さらには、域内のメーカーへの輸送が容易であるという利点を生かして自動車部品や電気部品の製造・供給をも行っていきたいとしている。

 

 

 

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