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本合併の効果、主にFriede Goldman International側から見たメリットとしては次のようなものが挙げられている。

 

1] オフショア市場における競争力強化

オフショア市場におけるライバルであるハルター・マリン・グループを統合したことにより、Friede Goldman Internationalのオフショア掘削リグ事業者としての地位が強化されるとともに、オフショア支援船やTLPの分野にも事業の裾野が広がり、オフショア市場における総合的な競争力がアップする。また、両社が有する海外部門をフルに活用して、例えば船体建造の一部を極東やカナダにアウトソーシングすることにより、建造コストの削減や工期の短縮も可能である。

2] エンジニアリング能力の強化

ハルター・マリン・グループの擁する豊富なエンジニアリング要員を傘下に入れることにより、両社あわせて約400人のエンジニアリング要員を確保することができ、Friede Goldman Internationalが苦労していたメキシコ湾岸における深刻なエンジニアリング要員不足に対処することができる。

3] コストの削減

マーケティング、サービス等の重複部門の共有化等により、コストの削減や生産効率のアップが期待できる。

新会社の最高経営責任者は「生産キャパシティの最適化」と「コスト削減」を表明していることから、ハルター・マリン・グループの施設の幾つかは閉鎖され、事務職も大幅に削減されるものと考えられる。

4] 安定した雇用の確保

12,000人の雇用を抱えることになり、大型で複雑なオフショア・プロジェクトの受注も可能になる。

 

一方のハルター・マリン・グループにとっては、同社の財政状況が最近悪化していたことから、合併によりFriede Goldman Internationalの比較的安定した財政基盤に相乗りすることができる点が大きなメリットであろう。

 

 

 

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