・USマリン・リペア
1997年10月にサウスウエスト・マリン(カリフォルニア州サンディエゴ、サンペドロ、テキサス州チャンネルビュー)及びその子会社のサンフランシスコ・ドライドック(カリフォルニア州サンフランシスコ)を買収したカーライル・グループが、1998年9月にさらにNORSHIPCO(バージニア州ノーフォーク)を買収し、1998年11月に新たに設立した船舶修繕会社統括企業である。NORSHIPCO及びサウスウエスト・マリンは、東西海岸においてそれぞれ米国海軍艦艇の主要母港近くに位置しており、原子力船以外の艦艇修繕を行う民間造船所としては最大級のものである。
カーライル・グループは、株式非公開のマーチャント・バンク(為替手形の引受けや社債の発行を主業務とする金融機関)であり、企業を買収したうえでその経営を立て直し、パッケージし直したうえで売却することにより利益を上げている投資会社である。
このため買収当時から、最終的には適当な売り手に売却することを目的として、同グループが主要船舶修繕施設を「パッケージ化」しているとの憶測が流れていた。当初の憶測では売却相手先としてジェネラル・ダイナミクスの名前が挙がっていたが、1999年秋にはリットン・インダストリーズがUSマリン・リペアを間もなく買収する可能性があるとの新聞報道が流れている。
次頁以降の表に、現時点における米国の船舶建造・修繕分野における各会社の所有関係をまとめ、子会社それぞれについて特に力を入れていると考えられる主要な造船マーケットを示した。