(2) オフショア市場
掘削リグ、オフショア支援船等のオフショア施設の建造・改造を専門にする造船所がメキシコ湾岸に多く存在している。
Friede Goldman International(FGI)は、傘下の子会社により、米国及びカナダに4つの施設を保有し、リグの建造・改造を行っている。
ハルター・マリン・グループは、ここ3年間における積極的な買収戦略によって22の造船所を所有する造船会社であり、オフショア支援船の建造やリグの改造のほか、主に官公庁向けの小型船の建造を行っている。
1999年9月にFGIがハルター・マリン・グループを買収した結果、FGIはFriede Goldman Halterと改称され、ハルター・マリン・グループは同社の子会社となった。
AMFELS(テキサス州ブラウンズビル)は、シンガポールのFEL社が旧マラソン造船所を買収して設立した会社で、リグの改造・修繕を専門としている。同社は、リオグランデ川をはさんで対岸に位置するメキシコ国マタモロスに子会社を有しており、マキラドーラ(北米自由貿易協定(NAFTA)に基づく貿易と投資の自由化により設けられたメキシコの輸出保税加工地区)を利用した部分建造を行っている。
アラバマ造船(アラバマ州モービル)は大型掘削船の修繕・改造やその他のオフショア施設の建造を行っている。
(3) ジョーンズ・アクト船等の国内船市場
ジョーンズ・アクト船及び政府向けの小型船の建造に携わっている小型造船所が十数社存在する。
アトランテッィク・マリン(フロリダ州シャクソンビル)はジョーンズ・アクト市場向けに旅客船等の小型船舶を建造している。
五大湖のマリネット・マリン(ウィスコンシン州マリネット)及びメキシコ湾岸のボリンジャー造船(ルイジアナ州ロックポート)は、ジョーンズ・アクト船のほか、USCG向けの巡視船、設標船等を建造している。
これらの小型造船所のほか、散発的ではあるが、艦艇市場を中心とする「6大造船所」も大型ジョーンズ・アクト船の建造を手掛けている。
