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特に、インターネットの普及に伴い、通信・メディア部門の超大型合併が目立っている。

次の表は、2000年1月末現在におけるこれまでの世界のM&Aトップ5を挙げたものである。第5位のグラクソ・ウエルカム及びスミスクライン・ビーチャム(ともに英国)の合併を除いて、いずれも米国企業によるM&Aとなっている。

(なお、2000年2月3日には、世界最大の携帯電話企業であるボーダフォン・エアタッチ(英国)が通信・機械企業の大手であるマンネスマン(ドイツ)を事実上買収する合併を発表しているが、この買収取引価額は1,800億ユーロとなっており、AOL/タイムワーナーのそれに迫るM&Aとなっている。)

 

世界の大型M&A史上トップ5(2000年1月末現在)

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ニューヨーク・タイムズ誌(2000年1月11日)等から作成

括弧内の期日はM&A発表の時期

 

1-3 M&A取引の実態

 

最近における米国のM&Aで最も一般的に利用されているのが1]株式交換、2]株式と現金による取引である。

ここ10年ほどで株式交換及び株式と現金による取引の利用は大幅に増大した。次の図で示すように、10年前の1988年には、米国におけるM&Aの5割以上が現金のみの取引きで行われていた。しかしながら、1998年には米国のM&Aにおいて、現金のみによる買収はわずか約19%に減少し、51%が株式交換で、30%が株式と現金で成立している。

 

 

 

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