日本財団 図書館


同部門における取引きには、3件の超大型合併―トラベラーズによるシティコープの買収(730億ドル)、ネイションズ・バンクによるバンクアメリカの買収(620億ドル)、ノーウェストによるウェルス・ファーゴの買収(340億ドル)―が含まれている。

これに次ぐのが通信部門であり、取引価額の13%を占めている。通信部門最大の取引はベル・アトランティックによるGTEの買収(710億ドル)であり、AT&TによるTCIの買収(700億ドル)がこれに続く。

第3位は石油・ガス部門であり、取引価額の11%を占めている。同部門の取引には、史上最高(当時)の取引価額となったエクソンとモービルの合併(860億ドル)、BPによるアモコの国際買収(550億ドル)が含まれている。

このほか、1998年における国際的大型買収の一例として、自動車部門におけるDaimler-Benzによるクライスラーの買収(400億ドル)が挙げられる。

次表は1998年における米国の大型M&Aトップ5を挙げたものである。

 

1998年における米国の大型M&A(トップ5)

006-1.gif

出典:フォーブス誌(1999年4月)

 

上記の1998年の米国トップ5は、この時点では世界のM&A史上においてもトップ5に当たる大型M&Aであった。しかしながら、最近におけるM&Aの大型化は極めて顕著であり、1999年10月にはMCI-ワールドコムによるスプリントの買収(1,270億ドル)、1999年11月にはアメリカン・ホーム・プロダクツによるワーナー・ランバートの買収(790億ドル)、そして2000年1月には史上最高額の取引きとなるアメリカン・オンライン(AOL)によるタイム・ワーナーの買収(合併)(1,650億ドル)等、超大型M&Aの合意が次々に発表されている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION