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調査によると、舶用機器を以前に生産した実績がない企業では、造船関連産業としての能力や設備があっても、ノウハウが欠如しており、造船市場に参入できない場合のあることも確認された。

区分1と区分2の大半の企業は同組織(IPERINDO)の准会員として登録されている。ところが区分3の大半の企業については別の組織の会員となっており、日本のJSMEA((社)日本舶用工業会)に相当する独立した協会の会員に加入することに疑問をもっている。これが造船関連産業の多くの企業がIPERINDOの准会員にとどまっている理由である。

 

5.2 インドネシア国家工業規格(SNI: Indonesia National Industrial Standard)

これは、前述の3つの区分に属する企業あるいはノウハウ蓄積の少ない企業のいずれにおいても、造船関連産業の開発を促進するためのものである。財政支援が不十分であはあるが、JICAからの寄付金を受けて、IPERINDOは日本工業F規格JIS-F (Japan Industrial Standard-F:)で識別された600項目のうち240項目を含むインドネシア国家工業規格(SNI: Indonesia National Industrial Standard)を完成、発布した。

現在のところIPERINDOは、短期間で技術を機器製造に応用することができると考慮し、会員や他の関心のある企業に対してSNIについての認知を高めるよう積極的な活動を行っている。主要な問題点は、この規格に明示された基準を満たした資材が不足していること(未だ輸入に頼らざるを得ない)、そして言うまでもなく品質管理の為の試験装置や機械を含む生産設備が欠如していること、そして前述の弱点である。

 

5.3 斜陽産業の移転

造船関連産業の弱点や新たなる団体設立への躊躇という問題と関連して、技術やノウハウ、国外の需要といった産業に関する知識を広めるためにインドネシアは先進諸国と緊密な協力体制をとっていくことが必要である。その為インドネシアは、先進諸国の斜陽産業を国内に移転させることに力を注いでいる。

 

 

 

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