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3.2.2 国内調達

資材が国内で供給または調達される場合をいう。裾野産業の開発が遅れていた為、造船所による国内調達は溶接棒や亜鉛アノード、木材、サンドブラスト、潤滑油などの消耗品や、小型船用鋼板、ペイント、新造船用パイプなど雑多な資材に限られてきた(CBS-ROI、1997)。国内における資材調達は、国内生産者から造船所へという直接経路、あるいは国内及び地元の卸売業者を介する間接経路により行われうる。

 

3.2.3 域内調達

域内調達において、資材はASEAN(東南アジア諸国連合)、NIEs(新興工業経済地域)、EU(欧州連合)などの貿易圏内で供給あるいは調達される。一般的に域内調達は、域内及び国内・地場の卸売業者を介して間接的に行われる。国際貿易の中心であるシンガポールは、インドネシアへの数多くの資材を供給する中継貿易港として重要な役割を果たしている。

 

3.2.4 国際・世界調達

国際あるいは世界調達は、調達資材の選択肢という意味では最高の条件を備えている。製品の生産者や技術の提供者は幅広く、製品の選択肢も豊富である。海外から調達されるといえども、購入品は地場、国内あるいは域内の卸売業者を介して供給されることになる。このような経路は通常、舶用エンジンや通信・航海機器、大型船舶用プロペラ、高仕様鋼板など典型的な製品の調達に利用される。

インドネシアでは国内産業による支援が十分でない為、造船所は海外からの調達に多くを依存してきた。更に、外国航路を持つ船舶を所有する船主の役割は国際調達において重大である。船主は必要な物資を海外から調達し、インドネシアの造船所に供給する。このメカニズムを通し、造船所は国際調達に付随する為替相場による価格変動、長距離輸送及び荷役作業による破損、様々な輸送手段で国境を越える度に生ずる時間的遅延といったリスクを共に負わなければならない。その結果、造船所は注文品の契約リスクを負担することになる。

 

 

 

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