日本財団 図書館


2.2 安全管理システムの概要

1) 安全管理方針(資料4参照)

安全管理方針は、「品質管理方針」、「健康、安全及び環境保全方針」、「麻薬、アルコール方針」及び「人事方針」の4つの方針からなる。

「品質管理方針」では、品質は誤りの潜在的原因を取り除くことにより最も効果的に維持・発展されると信じることから、不適合の原因を特定するために定期的な監査及び手順の分析を行う等を規定している。

「健康、安全及び環境保全方針」では、1]船舶の運航における安全の実施を確保すること及び安全な作業環境を供給すること、2]全ての特定された危険に対する防衛手段を確立すること、3]陸上及び船内の職員の安全管理技術を継続的に向上させること、並びに4]全ての階層の職員に環境保護の重要性を認識させること、がD社の方針であること等を規定している。

「麻薬、アルコール方針」では、「会社は全ての従業員に対して安全な職場環境を維持し、会社の全船舶の安全運航を確保し、現行の産業界の標準に沿って安全方針を維持することを会社は約束する。このため、会社はOCIMF (Oil Companies International Marine Forum)の発行した船上における麻薬とアルコールの管理のためのガイドラインに基づくこととする。」等を規定している。

「人事方針」では、D社は全ての従業員に対して安全で支援的な仕事環境を提供する等を規定している。

 

2) 安全管理マニュアルの構成

船上の安全管理マニュアルは、全ての船舶に適用する“General Procedure”、それぞれの船種に適用する“Ship Type Procedure”及び船主の要求等に基づき船舶毎に定める“Individual Ship Procedure”から構成される。(資料5参照)

 

3) 船員管理

船員管理はISO9002に基づきDNVが策定した船員管理の品質管理規則であるDNV SEPに従って実施している。

 

4) 船舶の保守・整備

原則として、船舶の保守・管理は、会社の経験と舶用機器の状態を考慮し、舶用機器製造者のガイドラインと船級協会の規則に従って実施している。

 

5) 緊急事態への準備

D社は船舶の緊急事態に対する手順を持っている。役員室は緊急事態司令室となり、特別の電話回線及び機器がある。もし香港事務所で緊急事態が発生すればグラスゴー事務所で対応をコントロールする。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION