2) 2サイクル機関(図3参照)
爆発荷重はピストンで受け、側面荷重はクロスヘッドで受ける構造で、ロングストローク化が容易である。しかし、ピストンとクロスヘッドはシリンダライナとシリンダフレームの別々の部分を往復するため、トランクピストン形機関に比べて機関全高および機関重量が増大する。
3) 研究開発機関(図4参照)
シリンダライナ下部にスリットを設けて、連接棒とシリンダライナの干渉を防止する。また、爆発荷重を受ける燃焼ピストンと側面荷重を受けるスラストピストンの分割構造とし、クロスヘッド形と異なり、2個のピストンは同一径のシリンダライナと架構内を往復するため、機関全高を低く抑えたままでロングストローク化が可能である。
3. 研究開発の内容
3.1 全体計画
本研究開発は、前述の研究開発の目的を達成するため、下記の行動計画で平成12年度から3ヵ年計画で実施する。
平成12年度計画
1] 基本設計、要素検討、コスト検討
超ロングストローク機関の基本設計を行い、主要部構成部品の詳細検討、コストの検討を行う。
平成13年度計画
2] 試験機関の設計
平成12年度の結果をふまえ、3気筒の試験機関の設計を行う。
3] 試験機関の製作
3気筒の試験機関の製作を行う。
平成14年度計画
4] 試験機関の性能試験
試験機関にて性能確認試験、各種の計測を行う。
5] 試験のまとめ
試験運転結果のまとめ、性能評価を行う。
3.2 平成12年度の実施内容
研究開発機関は低速4サイクル機関としては従来にないロングストローク化を図り、高出力化を行っている。また、S/D=3.28を可能にするために新機構を採用しており、強度上および構造上の課題について要素検討を行い妥当性の確認を行った。その結果を基に基本設計、コスト検討を行った。
3.2.1 研究開発機関の主要目
研究開発機関の主要目を表1に示す。シリンダ径320mm、ストローク1050mmの6気筒機関として基本設計を行った。なお、試験機関は排気ガスタービンが使用できる3気筒機関とする。