(2) 所要時間の短縮
タグボートの推力を有効に使うことにより、船体運動を速やかに制御することができる。シミュレータによる操船では、所要時間が大幅に短縮されている。
従来通りの経路で操船しても時間も短縮できるが、短い経路をとることも可能になるため、所要時間を半減できる場合もあり得る。
(3) 荒天時の着桟
本システムでは、タグボートの推力を、より有効に使うことによって、従来の限界を打ち破ることができ、上記の目標も達成可能と考えられる。
外乱の影響を補償するためにフィードフォワード制御を追加すれば、より確実に達成できると考えられる。
(4) 水域の制限
本システムでは、きめ細かな制御が可能であるため、狭水域も容易に通過できるので、1.5Lの水域での操船は、充分に実現可能と考えられる。
6. 来年度の計画
6.1 訓練用シミュレータによる評価
今年度は、開発用のシミュレータを用いて、開発関係者が評価してきたが、実船での評価に先立って、訓練用シミュレータと接続し、第3者の評価を受ける。
6.2 通信システムの試作と評価
移動体間の通信において、電波が構造物にさえぎられる環境を用意し、無線LANによる通信システム(=ハードウェアとソフトウェア)の性能を評価する。
6.3 システムの改良
次のような改良を、可能な限り行う。
・プロダクション・ルールの拡充
・フィードバック制御、フィードフォワード制御の追加
・訓練用シミュレータでの評価に基づく改善
6.4 実船での評価試験
本船・タグボート・バースの協力を仰ぎ、本システムを実船環境で評価する。