3.2.3 推力の分配機構の開発
(1) プロダクション・システムの導入
1] 目的
操船のパターンには様々のものがあり、これらを状況に応じて使い分けることが必要である。したがって、単一のアルゴリズムでは解決できないし、複数のアルゴリズムを切替える方法も、ユーザの負担や混乱を招くので不適当である。
そこで、プロダクション・システムを導入することにより、柔軟性の高いシステムを構築する。また、最初から十分なパターンを揃えることは困難であるが、プロダクション・システムには、パターンを(ルールとして)容易に追加することができるので、継続的に改良・強化することができる。
2] 特徴
プロダクション・システムには、以下のメリットがあると言われている。
・知識の表現形式が単純なので、ソフトウェア開発の経験がない者でも理解できる。
・ルールの独立性が高いので、新ルールの獲得や、既存ルールの修正や削除が容易である。
・したがって、前例の乏しいシステムを、試行錯誤的に構築することができる。
これらのメリットは、本システムにおいても得られると考えられる。
3] 開発ツールの選定
いくつかのプロダクション・システム開発ツールが無料で配布されており、定評のあるものとして、CLIPS(C版)とJESS(JAVA版)を調査し、開発シミュレータとの結合を考慮して、CLIPSを選択した。