10. 協調マルチエージェント方式による離着桟システムの開発
研究開発名 協調マルチエージェント方式による離着桟システムの開発開発
研究開発期間
開始 平成10年4月1日
完了 平成13年3月15日
研究開発実施者名 株式会社日本海洋科学
主任研究者 津金正典
研究開発費
事業費総額 15,235,625円
補助金額 11,900,000円
1. 研究開発の目的
1.1 大型船の着離桟操船の現状
これまでの大型船の着離桟では、水先人(または船長)が、機関・舵・複数のタグボートを、個人的な経験と勘に基づいて、1人で操ることによって行われている。
個々のタグボートの推力の大きさと方向を、同時に把握・制御することは、極めて煩雑な作業であり、これをたった一人で完全にこなすことは非常に難しく、操船者の経験が豊富でも、時には思考が混乱し、事故を招く危険が伴う。
そこで、操船者の思考の混乱による事故を防ぐために、通常はタグボートの役目を限定するなどして、作業の単純化が図られている。
ところが、そのために、タグボートの推力を有効に利用できなくなり、必要以上に時間がかかるなど、効率の低下を招いている。
1.2 システムスの役割
本研究開発では、操船に関する大局的な指令を、個々のタグボートに対する指令に変換するシステムを構築する。
これを操船者とタグボートとの間に介在させることにより、操船者を複雑な作業から解放し、大局的判断に専念できる環境を提供すると同時に、タグボートの推力を有効に利用し、効率的な操船を実現することを目的とする。
2. 開発の計画と進捗の概要
図1におもな開発工程を示す。
なお、システムの評価には、次の2種類のシミュレータを用いる。
・開発用シミュレータ:PC上で動作する。
・訓練用シミュレータ:立体画像表示やコンソールを含む。
訓練用のシミュレータは既存のものを用いるが、開発用のシミュレータを新たに準備した。