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2.5 性能評価試験

装置上部にディスポーザ付きシンクを置き、野菜くずを粉砕させながら、水とともに固形物槽へ流入。バス等からの廃水として、別に設けた貯水タンクにBOD約150mg/l及び大腸菌群数約200個/cm3の人工廃水を作り流入させた。運転の結果、図2に示す処理フローに従い、滞留なく自動で移送・処理されることが確認できた。乾燥機においては野菜くず約4kgを2時間で乾燥させることができた。これは、約23人が1日当たりに廃棄する量に相当する。また、廃水処理槽においては、排出量2000l/hで処理水のBOD10mg/l以下、大腸菌群数5個/cm3以下の性能を示し、汚水処理装置の廃水基準を十分満足できる性能であった。ただし、実使用における多様な生ごみやピーク時の廃水等への対応及び耐久能力については、さらなる試験が必要である。

 

3. まとめ

 

当該研究開発によって、益々高まる海洋汚染防止にも対応できる装置が開発できただけでなく、現存の公害防止機器の性能向上を図り、その手法を見直すために必要な様々なデータが取得できた。また、将来開発を目指す船舶におけるすべての廃水を一括処理可能な総合廃水処理装置の開発に大きな弾みがついた。

 

参考文献

(1) 桜井敏郎、他:家庭排水の汚濁負荷単原位調査、神奈川県衛生研究所報告。No.9.55(1979)

 

 

 

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