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生野菜が乾燥するまでの温度変化等を調査するため真空検体乾燥器を用いて試験を行なった。ディスポーザによって粉砕した野菜をシャーレに広げ、デシケータの温度及び圧力をそれぞれ70℃、8KPaに保持して、野菜の乾燥状態(重量比)とシャーレの温度を測定した。試験結果を図4に示す。

乾燥は時間とともに進行するが、野菜くずを入れたシャーレは、気化熱によって温度が上昇し難いことがわかる。水分を蒸発させている野菜くず自体の温度は、さらに低下しているものと推測できる。

 

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図4 野菜くずの乾燥試験

 

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写真2 真空乾燥機

 

2.3.2 真空乾燥機

前項との同様の試験を繰返し行ない、得られたデータから、写真2に示す真空乾燥機を設計・製作した。当該研究開発では、船舶で利用できる排熱等を熱源として考慮しているため、比較的低い温度での真空乾燥を目標とし、より効率良く熱源を被乾燥物に接触させるべく、熱媒油を満たしたジャケットに乾燥室の乾燥区画のみ埋没させ、回転ロータを用いて被乾燥物を乾燥区画に閉じ込めながら撹拝する方法を採用した。これにより、多様な熱源の利用と効率よい真空乾燥を実現することができた。

 

2.4 装置の一体化

当該装置は船舶の機関室等に設置されることが前提となっており、かつ廃水処理装置という、従来船舶には搭載されていなかった装置を新たに搭載することを考慮すると、小型省スペース化は必須条件といえる目標である。写真2でもわかるように、廃水処理槽の下部に乾燥装置を配し、それぞれの機能を犠牲にすることなく、かつ流入から排出までの処理フローを考慮して効率良く配置した一体化設計を行なった。この結果、弊社の25人用汚水処理装置とほぼ同等の大きさの装置とすることができた。装置の外観を写真3に示す。

 

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写真3 廃水処理装置外観

 

 

 

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