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(2) パレット受け台を30m/分の一定速さで水平往復運動をさせる必要があるため、出来るだけ軽量化することにし、支持台となるガイドレールを設け、レール上をパレット受け台車輪で移動するシステムを採用した。

(3) パレット受け台のスムースな水平移動のため、パレット受け台押出し用油圧シリンダーは左右に各1個設け、又、舷外への水平振出しは油圧シリンダー駆動のパンタグラフ方式とした。

(4) エレベーターは船の動揺を考え4本のガイドポスト付としたが、うち2本のメーンガイドポストにパレット受け台支持ローラをとりつけ、他の2本はルーズとしてスムースな昇降をさせることにした。

(5) 岸壁〜海面の距離を1.0m〜5.0mの広い範囲で使用可能とするために、エレベーターの垂直移動範囲をタンクトップ上約9.3m迄とし、又、荷役時間を考慮して、エレベーター平均昇降速さを35m/分とした。

(6) パレット受け台の振出し、引き込み中は一定位置でエレベーターを停止させておくが、その間、油圧シリンダー駆動のパレット受け台用ストッパーが働き安全が確保出来る構造とした。

(7) パレット受け台の水平移動とエレベーターの昇降が、同時に行われないよう電気的に制御する方式を採用した。

(8) 扉開閉装置の油圧ユニットは本船の係船装置の油圧ユニットと兼用とするが、エレベーター装置の油圧ユニットは独立して装備する。

(9) エレベーターの電圧無負荷時は緊急ストッパーが働いて、エレベーターが落下しない構造としている。

(10) 油圧ユニット及びシリンダーの故障時、パレット受け台及びパレット受け台のガイドレールは手動引き込み可能とするか、予備の引き込み装置と切替え可能となるよう配慮を行うものとする。

(11) 荷役装置はすべて、ヒール5°、トリム3°の船体傾斜を考慮して設計した。

 

2.5.3 潮位変化と喫水変化に対応した荷役設備

最大干満差4mに対応出来る荷役の状態を図4「潮位関係図」に示す。

国内の殆どの港は、最大干満差が約4m迄である。従って本船の荷役装置は満潮時の岸壁〜海面を1mと仮定し、岸壁〜海面高さが1〜5mの範囲で使用可能になるよう計画した。(尚、この時本船の喫水は、軽荷状態時2m、満載状態時3.8mとしている。)

舷側開口位置は、船体強度上からは船体中央部をさけたいが、船内でのフォークリフトの移動距離を最小とするため、ホールド中心に荷役装置を設けたいこと、又、トリムの影響を少なくしたいことから、船体中央部に設けている。

干潮満載時に岸壁に対して本船が最も低い位置となるが、この場合でもガイドレールと岸壁及びパレット貨物上部と閉鎖扉のクリヤ寸法は約700mmとして、余裕を持たせている。

 

2.5.4 自動倉庫配置

約600個のパレットを積載出来る自動パレットラック(6組)の配置を図2「一般配置図」に示す。

 

 

 

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