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以上より部分荷役と荷役の合理化を考慮して簡易自動倉庫方式を採用することとした。又、パレット積載量を最大とするため、部分的にポータブル式のラック及び固定棚を配置し、パレットサイズの違った貨物にも対応出来るように考慮した。

 

2.5 パレット貨物荷役システムの概要

本船で採用した振り出し式エレベーター方式と自動倉庫システムについてその概要をまとめる。

 

2.5.1 荷役の方法

(図1「荷役概念図」参照)

荷役装置による荷役手順は次の通りである。

 

054-1.gif

 

(1) この荷役装置の設計上特に留意したところを以下に示す。

約600個のパレットを8時間以内に荷役するために、同時に2個のパレットを荷役する装置とした。

(2) 船の動揺にあまり影響なく且つ安全にパレット受け台〜フォークリフト間のパレット貨物の受け渡しが出来るように、パレット受け台〜岸壁端は約1.2mを確保し、又、パレット受け台を岸壁面より高くして荷役出来るようカンチレバー方式とした。

(3) 最近の港湾施設は、岸壁〜海面の距離は高くなる傾向にある。この荷役方式はエレベータ昇降高さを大きくすることによって、どのような潮位にも対応可能となる。

 

2.5.2 エレベータ装置

本船の荷役設備のエレベーター装置の機構及び関連設備について概要を図3「エレベーター装置図」に示す。

エレベーター装置の特徴は次の通りである。

(1) 荷役中はパレット受け台を舷外に振出し、航海中は船内におさめる必要があるため、ガイドレールを開閉可能なものとした。又、潮位変化、吃水に応じて、高さを調節できる構造とした。

 

 

 

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