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5. パレット対応型新型内航船システムの研究開発

 

研究開発名 パレット対応型新型内航船システムの研究開発

研究開発期間

開始 平成12年4月28日

完了 平成13年3月12日

研究開発実施者名 内海造船株式会社

主任研究者 巻幡強

研究開発費

事業費総額 7,345,103円

補助金額 5,600,000円

 

1. 研究開発の目的

 

近年の内航船を取り巻く厳しい状況の中で、海運、造船、関連企業は依然として苦しい状況である。とりわけ、長期にわたる国内の景気低迷や物流構造の変化に伴う船腹過剰と内航の船主経済の悪化により新造船の建造隻数は激減しており、内航船や中小型船舶の建造を主としている中小造船所はまさに、存亡の危機に立たされている。

このような状況を打開するためには、変化する物流に対応した新しい船舶が求められている。

また、内航船にとっては、そのほとんどがトラックにより陸上輸送している般雑貨の分野に船舶が進出していくことが必要と考えられる。

そうした中で、物流において不可欠となるトラック輸送とのスムーズな連結を可能とする船舶を開発することにより、この厳しい状況に喘ぐ内航船の建造需要を喚起するとともに、海陸一体の相互に連携した一貫輸送によりモーダルシフトの促進に寄与することを目的とした。

 

2. 研究開発の内容

 

2.1 パレット対応型新型内航船の基本計画の概要

本研究開発は、物流において一般雑貨のトラック輸送との複合一貫輸送を可能とする船舶を開発するもので、ユニットロード物流におけるパレット単位の貨物のトラックと船との円滑な積み替えを考慮し、陸上と同じフォークリフト荷役をすることによる小口貨物に対応した「パレット対応型新型内航船」を研究開発した。

(1) 内航船の代表的な船型である499総トン型貨物船をベースにパレット貨物専用船とした。

1] 新しい小型モーダルシフト船としての位置づけ

2] 一般雑貨(消費財)のトラックによる多品種、多頻度、小口輸送に対応

(2) トラック〜船、及び船内でのパレット貨物はそのままの荷姿でフォークリト荷役とし陸上荷役設備(クレーン等)、陸上倉庫を使用しない。(舷側に倉口を設け陸上のトラックターミナルと同じ様な形でトラックと直接、貨物の受け渡しを行う。)

(3) 舷側水平荷役により雨天荷役を可能とした。(上甲板はハッチカバーを設けない。)

(4) 船の喫水変化、潮位変化に対応出来る荷役設備を装備した。(荷役時間の短縮、荷役省力化のため、パレット貨物の上下移動設備を装備)

(5) 陸上自動倉庫機能の船内装備による各港での部分荷役を可能とした。

 

 

 

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