日本財団 図書館


4. 浮体式海水リチウム採取システムの研究開発

 

研究開発名 浮体式海水リチウム採取システムの研究開発

研究開発期間

開始 平成12年4月1日

完了 平成13年2月28日

研究開発実施者名

株式会社エイゼット

主任研究者 周国強

主任研究者 中村猛

警固屋渠株式会社

主任研究者 竹西秀夫

研究開発費

事業費総額 28,229,580円

補助金額 20,500,000円

 

1. 研究開発の目的

 

海水中には様に0.17g/klのリチウムが溶存している。電気自動車用電池にはリチウムイオン二次電池が最も小型軽量化できるとされているが、日本にはリチウム資源は全くない。一方、日本ではリチウム資源を海水から採る粒状吸着剤がすでに開発されている。この粒状吸着剤を用いて海水リチウムを採取して、今後リチウムの爆発的需要に対処する必要がある。

そこで、バージによる海水リチウム採取システムが提案されている。このシステムは、船舶に搭載した吸着床タンクに粒状吸着剤を積層し、ポンプを用いて海水と吸着剤とを接触させて、海水中のリチウムを効率的に吸着させる方法である。

平成11年度技術研究開発補助金の助成により、浮体式採取システムのフィージビリティ・スタディーを行った。その結果、陸上設置型海水リチウム採取プラントに比べ、バージによる海水リチウム採取システムは大変有効であることがわかった。今年度は昨年度の研究成果に基づいて、実海域での吸着実験の実施をもとに、海水リチウム採取システムの基礎技術を確立する。

 

2. 研究明発の内容

 

2.1 模型

本研究開発にあたっては、縮尺1/12程度の吸着床タンクの模型を製作し、実海域実験等を行った。

吸着床模型の構造は、二重底構造を持ち、両舷に喫水を調節できるバラストタンクを配置した。中央のタンクは吸着剤を積層する吸着床タンクである。その吸着床タンクの底には吸着床タンクから二重底への逆流を防ぐために逆止弁を設けた。また海水取水口を二重底の左右舷に設置した。

図1に模型の断面図を示す。

 

039-1.gif

図1 模型の断面図

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION