ここで得られたデータを基にして、実際の船舶搭載用脱硝装置を想定すると、図18に示すように空間速度(SV)2500h-1(本試験では触媒4層相当)に換算して、脱硝率65%以上を達成可能であることがわかった。

図17 触媒2層還元剤括供給・分割供給試験における触媒層温度・THC濃度の変化(入口温度:250℃一定)

図18 船舶搭載用脱硝装置を想定した場合の脱硝率の変化
2.2.5 触媒再生試験結果
実ディーゼルエンジン排ガス中にはSOxなどの触媒劣化原因となる被毒成分が相当量混入しているため、長時間の試験では脱硝性能の低下を招いた。しかし図19に示すように、劣化した触媒を排ガス流通下で触媒層入口温度300℃に数十分間保持し、触媒再生を行った結果、劣化前とほぼ同等性能にまで回復させることができた。図20に劣化触媒と再生後触媒の外観写真を示す。

図19 再生操作に伴う劣化触媒と再生後触媒の脱硝率の変化

図20 劣化触媒と再生後触媒の外観写真
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