上式において、kは円筒の上面、下面の摩擦影響、及び水面近傍における発生渦の三次元影響修正係数である。本検討においては、修正係数k=1.0として計算を行った。
トルク測定結果を図6に、またドラムの回転数測定結果を表3に示す。ここで平滑ペイントが表3の添加粉末なしに、突起状ペイントがSN造粒粉添加に対応している。また図6中のペイントなしは、リファレンスとして測定したものである。表面に突起を有する塗料の方が平滑な塗料よりトルクが高くなる結果が得られた。上式からトルクが高くなれば摩擦抵抗も高くなることがわかる。一般的に表面粗さが大きい方が摩擦抵抗は高くなると言われており、測定結果は表面粗度を反映しているものと考えられる。一方平成10年度の装置を用いた結果では、突起状塗料の方が摩擦抵抗が低くなる結果が得られた。これは装置の軸ぶれによる測定精度の不正確さがもたらしているものと思われる。
3000rpm(線速度56・55km/h)でのトルクを上式を用いて摩擦係数に換算した。その結果、平滑塗料、突起状塗料の摩擦係数はそれぞれ0.0037、0.0041であった。