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上式において、kは円筒の上面、下面の摩擦影響、及び水面近傍における発生渦の三次元影響修正係数である。本検討においては、修正係数k=1.0として計算を行った。

トルク測定結果を図6に、またドラムの回転数測定結果を表3に示す。ここで平滑ペイントが表3の添加粉末なしに、突起状ペイントがSN造粒粉添加に対応している。また図6中のペイントなしは、リファレンスとして測定したものである。表面に突起を有する塗料の方が平滑な塗料よりトルクが高くなる結果が得られた。上式からトルクが高くなれば摩擦抵抗も高くなることがわかる。一般的に表面粗さが大きい方が摩擦抵抗は高くなると言われており、測定結果は表面粗度を反映しているものと考えられる。一方平成10年度の装置を用いた結果では、突起状塗料の方が摩擦抵抗が低くなる結果が得られた。これは装置の軸ぶれによる測定精度の不正確さがもたらしているものと思われる。

3000rpm(線速度56・55km/h)でのトルクを上式を用いて摩擦係数に換算した。その結果、平滑塗料、突起状塗料の摩擦係数はそれぞれ0.0037、0.0041であった。

 

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図6 試験測定の結果

 

2.4 表面形状と摩擦抵抗との相関性の評価

2.4.1 概要

水中の摩擦抵抗を低減させるためには、表面粗さや凹凸形状が重要な因子であると考えられる。ここでは塗料に添加するセラミックス粒子サイズを変えて塗装面の表面粗さを変化させ、摩擦抵抗との相関性を明らかにする。

 

2.4.2 実験方法

評価した塗料と表面粗さ、接触角を表4に、添加した粒子の形状を写真8に示す。ここで塗料には、船底用塗料として一般的なタールエポキシ塗料(関西ペイント殿製エポシール冬型BTM)を選んだ。2.3で使用したSUS製ローターを用い、2.3と同様の方法で塗装した。接触角の評価には70mm×150mmの表面プラスト処理鋼板を用い、同様に塗装した。

 

 

 

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