そこで、船舶明細書からタービン主機のデータを除き、満載航海速力と1日あたり燃料消費量が明記されているもの(表1.1-1の215隻)について、満載航海速力を揃えて式1により燃料消費率を算出し、DWTとの関係をプロットした(図1.1-1)。航海速度は、II調査の内容1.2で各カテゴリーについて設定した速度とした。タンカーのカテゴリー別航海速度の経年劣化は専門家等からの聞き取りにより5%/10年とした。
図1によれば、船齢あるいは一部の船型を適切に区分すれば、燃料消費率とDWTの関係は比較的明瞭な直線関係であることが認められた。そこで、基本的には船齢区分ごとに、1977年以前建造のタンカーについては更に12万DWTで区分して燃料消費率とDWTの関係式を求めた(図1.1-1の下段を参照)。
これらの式に、各船齢・船型カテゴリーの平均DWT(表1.1-2)を代入し、それぞれの各カテゴリーにおける平均的な燃料消費率(t-Fuel/隻・日)を求めた(表1.1-3)。すなわちこれは、II調査の内容中表1.3-5で示した各カテゴリーの平均航海速度に対応する燃料消費率である。なお、船舶明細書で燃料消費率が把握できなかった32万DWT以上のULCC船については20万〜32万のDWTクラスの関係式を外挿した。
以上の過程により算出したタンカーのカテゴリー別の平均的燃料消費率の推定値(t-Fuel/隻・日)は表1.1-3に示すとおりである。