また、イギリスからは、減速航行等のオペレーショナルな削減手法及び炭素税などの市場経済的な削減手法については慎重に調査すべきであるとのコメントがあり、さらに不確定性の多いバンカー油の払い出し量を必要以上に大きく見積もらないこととコメントがあり、ノルウェーがこれを支持した。
(3) 第6回ばら積み液体と気体物質に関する小委員会(BLG6;2001年2月開催)
MSC(海上安全委員会)の下部委員会である「ばら積み液体と気体物質に関する小委員会(BLG;Sub-Committee on Bulk Liquids and Gases)」において、MEPC45からCO2排出量削減策の技術的な検討を行うように要請されたことを受け、コンサルタントレポート(BLG6/12)について論議がなされた。
小委員会としては以下のような各論及び指摘を併記してMEPC46へ報告した。
なお、シップ・アンド・オーシャン財団は、外航船舶からのCO2以外の温室効果ガス(CO2の約5%と見積もられる旨)の排出について説明を実施した。
● コンサルレポートはよくできており、今後の政策的議論のベースになるものである。
● シップ・アンド・オーシャン財団のCO2以外の温室効果ガスについての研究(BLG6/12/1)も考慮に入れるべきである。
● IMOとしてのポリシーを決定する際には、MEPC以外のMSCなど他の委員会の協力が必要である。
● 短期的な技術対策はボランタリーベースで行われるべきである。
● 長期的な技術対策の導入は、充分な効果やコストの検討後に行われるべきである。
● 温室効果ガスの削減には、技術的対策、運航上の対策、市場原理による対策の三つが上げられるが、後二者はその実現が困難である。一方で、ボランタリーベースでは、排出インデックスのように実現できるかもしれない。
● 燃料消費量の正確な統計が必要である。
● 船上でのCO2排出濃度モニタリングの必要がある。
(4) 第46回海洋環境保護委員会(MEPC46;2001年4月開催)
2001年4月に開催された第46回海洋環境保護委員会(MEPC46)では、事務局からBLG6の審議結果(MEPC46/10)が報告された。日本国は外航船舶から排出される温室効果ガス削減問題についてはIMOが積極的に貢献するべきであること、及び次の会合(MEPC47:2002年3月開催予定)からワーキンググループを設置し検討をすべきと主張し、各国からの支持を受けた。ワーキンググループの設置は最終的に合意され、MEPC47から本格的な活動が開始される運びとなった。