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以上の調査結果に基づき、シミュレーションを実施した。シミュレーションにおいてはタンクの容積;20,000m3、深さ;20m、積荷速度;1000m3/hとした。蒸発速度係数は今回のケースでは油種は混合であることから800mmHgにおいて1.0とした。また、タンカーの場合では積み荷は一度に行われるが、積み荷初期からタンク内の圧力の急上昇が発生しないように、弁制御が行われているため、入荷量と同量のガスが放出されるものと仮定した。排出ガス中のVOC濃度の初期値は10%と仮定した(表2.1-5)。

シミュレーション結果(図2.1-7)では、40時間後のVOC濃度はほぼ40%に達しており、その後の推移の状況も実測結果(表2.1-7)とよく一致している。

そこで、このシミュレーションを用い、放出される発生ガス量の積分値(大気圧に換算)を求めたところ、その値は原油積み荷総体積の約1.8倍とされた。また、VOC放出量は表2.1-6から発生ガス量のほぼ40%、原油積み荷総体積の約1.8×0.4=0.72倍と想定された。

以上のことから、積み荷時にタンカーから放出されるVOC放出量は表2.1-8のように集約される。

 

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図2.1-7 タンク内濃度上昇のシミュレーション結果

 

表2.1-8 タンカー積み荷時の原油ガス排出量

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