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(2) 鉄鉱石の輸送による年間燃料消費量

1] 載荷可能量

タンカーと同じく、Fearnleys World Bulk Fleet 1999には、バルカーの船型・船齢カテゴリー別DWT合計値が示されているので、同じ資料に掲載されているバルカーの隻数で除して、船型・船齢別の平均載荷可能量を求めた(表1.3-21)。

 

表1.3-21 鉄鉱石輸送に関わる船の平均載荷可能量(Kjk)

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Fearnleys World Bulk Fleet, January 1999より作成。

「-」はそのカテゴリーの船が存在しないことを示す。

 

2] 積荷率

バルカーの運航においても、タンカーの場合と同じく、バラスト水や輸送のための燃料など荷物以外の積載も必要である。ここでは、オペレーターからの聞き取り等により、正味の載荷可能量を8割と仮定することとした。

バルカーのうち、鉄鉱石輸送に関わる船舶は概して専用船として一定の航路に従事していることが多く、タンカー同様に年間航行日数の半分はバラスト航海であると考えられる。ただし、タンカーと比べてバルキーな鉄鉱石を運ぶことから、αjkは0.5×0.8より小さくなると考えられる。

いずれにしても、バルカーの積荷率(αjk)については情報が不足しているため、上記の大まかな積荷率(αjk)の傾向を考慮しつつ、それぞれの区分ごとには船型・船齢に係わらず一定と仮定し、計算上の年間輸送総量が表1.2-1に示された統計上の年間輸送総量に合うよう調整するパラメータとして扱うことにした。

 

3] 平均運航速度

日本船舶明細書に示されたバルカー各船舶の航海速度をみると、船型や建造年次(船齢)による明確な傾向は認められず、平均値は約15knt程度であった。そこで、明細書に示された航海速度の平均値をもって平均運航速度(νjk)とすることとし、一律15kntを採用することとした。なお、タンカーの場合と異なりバルカーでは速度の経年劣化分を主機の負荷を上げることで補っており、見かけ上速度の経年劣化は生じないこととした。この効果を含み、燃料消費率(Cjk)を10年につき5%、船舶明細書に記載の数値から劣化させている(表1.2-9参照)。

 

 

 

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