日本財団 図書館


1.2.2 コンテナの年間貨物量と年間輸送総量の推定

コンテナの貨物量及び輸送総量はContainerisation International Year Bookの統計が基本となる。これは、世界のコンテナヤードにおける取り扱い実績に基づくもので、資料としては精度が高く、発着地別にも集計されているが、TEUマイルベースの値は示されていない。

Containerisation International Year Book の統計値は、コンテナヤードを通過したコンテナの個数を、陸路も含めて発着ごとにカウントしている。従って、このままの数値を用いると、図1.2-1に示すように、単純な発着地間の運航は統計上のカウントの0.25倍と考えられる。また、近年はシンガポールなどハブ港での積み替えがあり、この場合はハブ港が1つの場合は実際の運航は統計上のカウントの0.33倍、ハブ港が二つの場合に同じく0.375倍になる(図1.2-1参照)。以上のことを考慮し、ここではContainerisation International Year Bookに記載のコンテナ取り扱い量に<0.3>を乗じたものをコンテナ船の貨物量と仮定した(表1.2-2)。

Containerisation International Year Bookによると、1997年の世界全体でのコンテナヤード通過コンテナ数は163,744×103TEUである。従って、年間貨物量(TN)はこれに0.3を乗じた量、すなわち49,123×103TEUとなる。表1.2-2ではコンテナの貨物量を発地・着地別に示しているが、これはContainerisation International Year Bookに示されている地域間の輸送比率(運輸省海上交通局、1999)に基づいて、1997年のコンテナ貨物量を地域間に分割したものである。表1.2-2によれば、アジア発着の貨物量が大きな割合を占めており、シンガポール、香港、高雄など、アジアのハブ港を中心とした荷動きの実態を適切に反映していると考えられる。

コンテナ輸送については輸送距離を考慮した統計値は存在しないので、地域間の平均輸送距離を別途推定する必要がある。そこで、Fearnleys World Bulk Tradesのバルクカーゴに関する発着地別の輸送トン及び輸送トンマイルを用いて、地域間の平均輸送距離を求め、これをもってコンテナの地域間輸送距離と仮定した(表1.2-3)。これにより、TEUマイルベースの年間輸送総量(TR)は表1.2-2に表1.2-3を乗じることで求められる。TEUマイルベースの年間輸送総量は表1.2-4に示すとおりである。

なお、TEUは個数であるから、運航業者への聞き取りにより10トン/TEUで重量換算することとした。表1.2-1に示したコンテナ年間輸送総量の推定値は、表1.2-2に示したTEU総計及び表1.2-4に示したTEUマイル総計に10トン/TEUを乗じたものである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION