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2] 上記の品目別標準化に加え、最終年度では品目横断的な見直しを行い、共通項目としての標準化を行った。

情報交換システムの開発と運用支援環境の検討においては、

3] 造船・舶用機器メーカ各社間の情報交換システムと運用支援環境を開発した。

4] 上記で開発された情報交換システムと運用支援環境を用い、実際の業務を想定した実証実験を実施し、情報交換システム、運用支援環境、及び情報表現形式の有効性、実用性を検証した。

5] さらにその実証実験結果を基に実運用のための支援環境を検討し、仕様をとりまとめた。

加えて、本開発研究終了後の造舶間実業務への適用に向け、

6] 造舶Web運用内容の検討

(a) 造舶Webシステム利用規程の策定

(b) 技術情報コンテンツの維持・拡充要領の策定

(c) 造舶Webシステムの維持・拡充要領の策定

を行うとともに、運営体制の検討および移行計画を立案し、さらにその計画に基づき、造舶Webの実運用をサポートするために、株式会社造舶ウェブが平成13年3月1日付けにて設立された。巻頭にも記したように、わが国造船・舶用工業が厳しい国際競争の中で今後も生き残っていくため、業界を挙げての高度情報化を促進することが必要である。同社はその活動の一翼を担い、当面は造舶技術者間の技術情報の電子交換から始めるが、今後3年を目処として、造舶企業間の電子商取引(EC)の実現を目指している。さらに、造舶Webは、設計・調達過程の中まで踏み込み、付加価値の高い情報交換を多対多(複数企業同士)の製造企業間で実現する、新形式のB2B(企業対企業)サイトの先駆けであり、この新分野を開拓し将来的には海事分野のみならず他産業にまで広く提供することが同社の社会的使命であると考えられる。

また、国内・海外における広報活動として、

7] 本開発研究の状況と成果を造船・舶用及び関連業界に周知すべく、国内向けには6回の地方運輸局等の協力による説明会を実施した。また、海外向けとして、2回の欧米への出張を行い、セミナー発表、個別企業・団体訪問等を通じて造舶Webをアピールした。

最後に、本開発研究の成果のまとめとして、

8] これらの研究開発実施内容を記述した本報告書を作成した。

なお、造舶Webは造船・舶用工業界の標準的な情報交換基盤として使用されることを目的として開発されたものであり、1]中小企業でも容易に導入が可能なシステムの簡便性、2]各社が自社の実状に合わせて活用できるシステム運用の柔軟性、3]新たな機能を容易に追加できるシステムの拡張性、等の特徴を有している。このため、現在は舶用機器の仕様に関する技術情報の交換のみを業務対象としているが、利用者が増加することにより、業界における企業間業務情報化のためのプラットフォームとして、技術情報の交換以外にも資機材調達等eビジネスとしての展開や、船主・船級との連携のためのツール等システムの拡張が期待できる。

以上

 

 

 

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