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(1) 評価項目

テーマ定義表の記載項目のうち、評価項目は、造舶各社において業務施策実施の効果を測定するための尺度を定義したものである。すなわち、本業務施策の実施に先立って、各評価項目の目標値を設定し、施策実施後に目標値とその実際値とを比較することにより、施策の効果を評価しようというものである。

(2) 業務システム施策

業務システム施策は、設計・技術情報交換の業務面での要件を従来との差と合わせてまとめたものである。情報交換実施上の業務や仕組み上の取り組み課題がその中心である。

(3) 情報システム施策

情報システム施策は、業務施策実施上のシステム化要件を定義したものである。先の目標施策体系上のシステム化要件とともに、情報交換システムの仕様検討に対する要件提示、インプットとして位置づけられる。

 

4.3 企業間新業務フロー

企業間で交換される情報の標準化をデータ項目レベルで行うためには、その前提として、何を交換するのか、また業務のどのタイミングで交換するのか、を合意することが必要である。そこで、造舶Webでは、造船所・舶用機器メーカ共同で「企業間新業務フロー」と呼ぶ業務フローを作成し、企業の枠を超えた標準的な業務の流れを定義した。新業務フローは、造舶間の設計・技術情報交換における標準的な情報の内容と交換のタイミングを表現したものである。

企業間新業務フローの例を図4-4に示す。

フローを構成する業務やその流れは、一見従来と変わらないように見えるが、あえて「新」業務フローと呼ぶ理由は以下の4点である。

1] 図中の矢印で示す企業間の情報交換が電子データ交換に変わることに大きな意味がある。従来の紙や電話をベースにした仕事の仕組みに比べ、スピードアップなど飛躍的な業務効率向上を実現する業務フローである。

2] 造舶間で慣習的に行われてきた業務のやり方を一般の商慣習に適合させている。例えば、一部品目において、納入仕様書確認後に行われる契約締結のタイミングをメーカ選定後に変更している。

3] 造舶間でやりとりされる情報を必要性の観点から根本的に見直し、今まで交換してきたから、といった積極的な理由の見当たらない情報交換は、それを廃止している。例えば、メーカは、納入仕様書と工事図書を造船所に提出しているが、タイトルが変わるだけで内容に実質的な差異が認められないので、納入仕様書のみの提出とし、造船所で確認後それを工事図書とすることにしている。

 

 

 

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