日本財団 図書館


3つ目は設計支援デスクトップ機能で、情報公開伝達機能およびデータ交換・共有・貯蔵機能を操作する。この3番目の機能はシステムと利用者とのインターフェースであり、これによって利用者は一連の操作を容易に行うことができる。

以上の3機能により、業務ごとに作成した各種技術データを相手企業へ渡すあるいは共有化する(企業間におけるデータの交換・共有化)ことができ、またこれら技術データに履歴情報などを付加し保管・管理(データの貯蔵)することもできる。さらに業務ごとに作成される各技術データの連携(業務間のデータ交換・共有化)も可能になる。

 

2.4.2 造舶Webシステム実証実験

前述のように、システム開発の過程で、第2年度は初年度で制定された5品目のうちの3品目について、また最終年度は第2年度の25品目を加えた計30品目についての標準化規約(これを品目辞書と呼ぶ)に従って交換すべきデータを作り込み、それを用いて造船所と舶用メーカとの間での情報交換実験を行い、随時その結果を開発チームにフィードバックした。また、最終年度の20品目についても品目辞書ができた時点で順次実証実験を開始した。この実証実験を実施するにあたって参加会社は開発チームが順次リリースする改良版システムのインストーラと各品目辞書を造舶Webサーバからダウンロードして入手し、また実験結果は逆に造舶Webサーバの会員用掲示板に投稿する形で開発チームや他の参加会社との間での情報共有を図った。つまり、その意味で、本プロジェクトでは「造舶Webシステム」なるものがプロジェクトの最後に一挙に完成し動き出すというのではなく、プロジェクトの期間中もシステムは“それなりに”動いていてそれが次第に改善されて最後に「実用化版」が出来たということができる。詳細は6章を参照のこと。また、7章ではこの造舶Webを業務に導入したときの期待効果について述べる。

なお、本章を書くにあたって参照した図書名を以下に記す。

 

参考文献

1) 「サプライチェーン・マネジメントがわかる本」、SCM研究会編、日本能率協会マネジメントセンター、1998.11

2) 久道雅基、他「日本的サプライチェーン・マネジメントとERP/SCPによる情報システム革新」、Japan Research Review 1998.12、(株)日本総合研究所

3) 大和裕幸:高度情報化造船業のための設計と建造の研究動向、日本造船学会誌、pp50-56、第812号、1997.2.

4) S&O財団:造船業の今後のあり方の調査研究報告書、1996.3

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION