美保関(みほのせき)灯台
〜山陰最古の灯台〜
島根半島の東端に位置するこの地は、その昔、航海の安全を祈願してたくさんの地蔵さんが祭られていたことから、地蔵埼と呼ばれております。
この灯台は、山陰地方では最古の石造りで、1898年(明治31年)に地蔵埼灯台として建設されました。当時の光源は、石油で1等レンズ(内径1.8メートル、高さ2.6メートル)が使用され、光度は67,500カンデラでありました。その後、大正11年には、光源が電化され、また、1935年(昭和10年)には地蔵埼の名称が全国的に多いことから、現在の「美保関灯台」と改称されました。1954年、1993年とその時代の最新鋭の灯器に改修され、現在はメタルハライド電球を使用する灯器となっています。(現在、初代の1等レンズは、大阪府岬町のみさき公園に、先代のLB90型灯器は隣接する美保関ビュッフェに展示されています。1962年(昭和37年)には、無線監視装置の導入により無人化され、1998年(平成10年)には、初点灯から百周年を迎え記念事業が行われ、歴史的施設の保存措置として耐震性向上の灯塔改修が行われました。そして百周年を祝うかのように、この年には「世界灯台100選」の一つとして選出されました。
この灯台は、船舶が安全に航行するための大切な施設です。この施設の異常を発見した場合や何かお気づきの点がございましたら、下記の管理事務所までお知らせください。
位置 北緯35度34分02秒 東経133度19分31秒
光り方 単閃白光12秒に1閃光
光の強さ 49万カンデラ
光の届く距離 23.5海里(約44キロメートル)
高さ 地上から灯台頂部 約14メートル 水面から灯火 約83メートル
管理事務所 第八管区海上保安本部 境海上保安部
電話 0895-42-2534
隣接する石造りの建物(旧職員宿舎)と併せて、その風格は、明治の面影をとどめ、明治・大正・昭和・平成と四代にわたり、一日も休むことなく地蔵埼沖を行き交う船舶の航行安全を守り続けています。