「もうこれ以上のことはない、という位真剣に頑張れば己ずと結果はついてくる。」という、道場の先生の言葉を信じて厳しい練習にも耐え、自分に勝つことを目標に努力をしています。一年生を中心にしたチームですがどんな試合に行っても、「優勝するんだ。」という気迫だけはだれにも負けないつもりです。
今、世の中では少年犯罪が大きな問題となっています。
『ちょっとした事でキレル』『簡単に人を傷つける』といったニュースを耳にします。僕はどうして人に迷惑をかけないという常識的なことが守れないのかと悲しくなります。そんな時、頭に浮ぶことは先生がいつも言っている「剣は心なり」という言葉なのです。
「心の強さは剣の強さ、心の正しさは剣の正しさ。」とも。これにはいろいろな意味が込められている言葉だと思います。「先輩に対する礼儀、後輩への思いやり、師に対する尊敬、親に対する感謝の気持ち、剣を学ぶものはこれらのことを頭におき、日ごろの生活を含めて努力して行かなければ。」と常日ごろから聞かされています。
「心も体も強くなるように。」という父の言葉も今は理解できます。剣道を通して僕の体の中に正しい心と何事にもくじけない精神を教えたかったのだと思います。
僕は生徒会、クラスと役員を自分から進んでやっています。剣道を学んでいる者として「まず人として正しくあろう。」という気持からです。剣道が今の自分をつくったと言っても言い過ぎではありません。
体中から吹き出す汗をかき、厳しい練習の後に来る爽快な気分と充実感を心から味わえた時、剣道をこれまで続けて来て本当によかったと今は思えるようになりました。
僕には、父の跡を継いで農業をしながら、小さい子供に剣道を教えたいという夢があります。自分の経験を生かして少しのことではくじけない「心も体も強い子供」をより多く育てるために頑張ろうと思います。
まだまだ果てしなく続いている道ですが自分の心に決めた目標に向かって日々精進して行きます。
『剣道で学んだこと』
鳥取県東伯郡
東伯武道館
中学三年生
水口貴文
剣道のかっこうよさにひかれ、軽い気持ちで町の剣道少年団に入団したのは、小学校四年生のときでした。
しかし、入団してみると、「素振り」や「足さばき」など、毎日同じ事の繰り返しの稽古は思ったよりも辛いものでした。
いつか防具をつけられることを願って耐えているうちに、だんだんと段階が進み、ようやく念願の防具をつけて稽古ができるようになりました。しかし、防具をつけての稽古は一段と厳しく、時には体当たりではね飛ばされ、何度も挫折しそうになりました。
剣道をやめようと思い、両親に相談したのは一度だけではありません。そのたびに、両親は「どんなに苦しくても、やり始めたことを途中で投げだしてはいけない。自分で決めたことは最後までやりぬくことが大切だ。」と言い、途中で投げだすことを許してくれませんでした。