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『剣道とは』

 

北海道伊達市

伊達網代道場

中学一年生

馬場悠衣

 

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「剣道とは」

と聞かれると、皆さんは、何を考え、何と答えるでしょうか。私ならきっと

「自分に自信と勇気を与えてくれた、とても大切なただ一つの武道である。」

と胸を張って、答えると思います。私の中での自信と勇気。それは、今の力を信じ何事にも挑戦するという意味なのです。

剣道、自分と相手、竹刀で相手とただ単純に打ち合う武道。一見簡単に見えるのだが、いざやってみると何とも言えない難しさ。だからこそ、どんな武道、スポーツよりも楽しく、一つの事が長続きしないこんな私でも、長く続けられたのです。

竹刀で相手と、ただ単純に打ち合う剣道。私は今まで約八年間やって来て、二つ自分で変わった事があります。

一つは、生きていくうえで、とても大切な礼儀作法。これは、剣道をやっている時も、ふだんの生活の中でも、とても重要な事です。剣道を始める時、終える時の挨拶「お願いします」「有難う御座いました」などは、ふだんの生活では「おはようございます」「こんにちは」「さようなら」におきかえて、自然と声が出るようになっていると私は思います。なぜなら、以前までの私は挨拶がなかなかできなかったけれど、今の私は、少しずつだけれど自然と挨拶ができるようになってきたからです。これからは、どんな時でも挨拶ができるように、そしてただ口でするのではなく、心から挨拶のできる人間になろうと思います。

二つ目は、友情を深めあう事。これは剣道を通じて仲間を増やし、男女関係なく共に泣いたり、笑ったりする事だと思います。私には今、剣道を通じて数えきれない程の仲間が、全国各地にできました。昨年の体験発表でも普段は絶対に会えない仲間がたくさんできました。私はこんなに仲間ができる武道、スポーツは剣道位ではないかと、本当に剣道を続けてきて良かったと改めて心から思いました。同じ道場の仲間、外の道場の仲間、普段はよき友であるが、時には本気で戦う事も、しばしば。お互いが本気で戦う事はものすごく嫌だけれど、お互いが強く成長するためには、相手だけでなく、私も本気で立ち向かって、いかなければならない。みんなそうやってきたのだから。これからも私は、全国各地に信頼し合える仲間をたくさんつくり、友情を深めあっていきたいと思います。

中一になってからの折り返し地点。私の心のかたすみで、本気で剣道をやめたいと思う気持ちが存在したのです。その理由は、思った通りの試合ができないから、ただそれだけの事。私はなぜこうなってしまったのか、改めて自分を見つめ直しました。すると一つ、私に大きな原因があったのです。六年生の時に全国三位という実績をつかみ、それに甘えて練習をなまけてしまっていたのが大きな原因になってしまったのです。

 

 

 

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