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父さんが剣道場をさがしてくれました。そして、柏には柏武道館という立派な道場があることがわかりました。全国制はも何回かある道場だと聞きました。見学に行ってみると、みんなが素晴らしい剣道をしていて、ぼくの剣道よりはるかに上だと感じました。ついていけるか心配でした。でも、そんなとき先生や同じ学年の人達、中学生のお兄さんたちがやさしく声をかけてくれてちょっとほっとしました。そのとき「ここでやってみよう」と心にきめ父さんにお願いして入門しました。

それから厳しいけいこが始まりました。思ったとうりみんなレベルが高くて自分の実力のなさを感じました。でも、「ぼくだって、愛知県でがんばって来たんだ。まけるもんか」という思いでがんばりました。気を抜かず全力でけいこしました。段々と力がついていくのがわかり、けいこに行くのが楽しみになって来ました。そして何ヶ月かしてついに柏武道館の選手になることができました。「自分もやればできるんだ」と思いました。

愛知県にいるときからぼくの夢は、日本武道館の全国大会に出場することでした。それが柏武道館に来てようやくかなう日が来ました。結果は、みんなの努力とチームワークでなんとベストエイトに入賞できました。夢のようでした。日本武道館で前の道場の先生と久しぶりに会って「玄志強くなったな」と言われたときは本当にうれしかったです。

新しい友達もいっぱいできました。けいこは、厳しくてときどき休みたいと思うことがありますが、仲間が道場で待っていると思うと不思議とがまんできます。今では道場以外でも一緒に遊ぶ仲の良い友達です。千葉県に来て柏武道館に入ったおかげで、ぼくには愛知県だけではなく千葉県にもたくさん友達ができて、剣友が増えました。

ぼくが剣道を通じて学んだことは、「一生懸命努力すれば少しずつ目標に近づき、そして達成できる」ということ。そして、剣道を通じて得たものは、「一緒にきびしいけいこにたえ、試合で喜びや苦しみを味わった心の通じあう剣友」です。千葉県に来て不安な気持ちでいっぱいだったあのとき、父さんに「剣道やるか」と聞かれて「やる」と言っていなかったらばくは、その二つを得ることはなかったでしょう。

努力すれば達成できると信じ、そして多くの剣友をライバルとして、これから中学、高校、そして社会人になってもこの素晴らしい剣道を続けたいと思っています。

 

『礼に始まり礼に終わる』

 

滋賀県草津市

栗太尚武館

小学五年生

香川ゆき

 

 

私と剣道の出会いは、一年生の秋でした。父に連れて行かれて、弟と三人で入りました。足さばきがむずかしく、最初は思うように竹刀がふれませんでした。面を着けるまでは、何回も何回も素振りをしました。

私が自分から、けい古を休まず行くようになったのは、四年生の時からでした。それまでは週一回でしたが、試合で負け、とてもくやしかったからです。でも原因は、練習量が少ないと気付き、週三回休まず行くようになりました。

 

 

 

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