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財団法人日本武道館会長

大会名誉顧問 塩川正十郎

 

祝辞

 

第三十五回全日本少年剣道錬成大会の開催を心よりお慶び申し上げます。

武道憲章には、武道は日本古来の尚武の精神に由来し、長い歴史と社会の変遷を経て、術から道に発展した伝統文化であると定めている。本日お集まりの皆様は、長い歴史を誇る剣道を二十一世紀に正しく伝統文化として伝えるべき剣士の方々であります。面一本、甲手打ち一つをおろそかにせず、大切にして試合に望んで下さい。立派に試合されることは、正しい剣道を伝えることにつながると思うからです。

同憲章第三条は、「試合や形の演武に臨んでは平素錬磨の武道精神を発揮し、最善を尽くすとともに、勝っておごらず負けて悔まず、常に節度ある態度を堅持する」とあり、次条では「道場は、心身鍛練の場であり、規律と礼儀作法を守り、静粛・清潔・安全を旨とし、厳粛な環境の維持に努める。」と書かれています。今日は、日本武道館を大道場と思い、規律と礼儀作法を守って試合を行って下さい。主催者である全日本剣道道場連盟が、錬成大会と称して三十余回行ってきた趣旨の一つはここにあると思います。

皆様の剣道への精進が高まるほど、剣道のよき伝統は培われ伝えられて行きます。本大会を機会に、更に厳しい稽古に励んでいただくことを心より期待し、伝統文化担い手の皆様に対する私の祝辞と致します。

 

 

 

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