祝辞
第35回全日本少年剣道錬成大会及び第25回全日本選抜少年剣道個人錬成大会が、酷暑の中、全国各地から多数の少年剣士諸君が参集し、日本武道館において盛大に開催されますことは、誠に意義深いことで心よりお喜び申し上げます。
剣道は、わが国で育てられた固有文化として、多くの国民の理解と協力によって年々盛んになり、国内はもとより世界各国においても、老若男女を問わず愛好者が次第に増加し発展の一途をたどっております。これは、剣道界に携わる諸先生方のご努力によるものと存じます。
少年剣道の発展は、全国道場主の皆様方の永年にわたるご指導とご尽力によるものであります。申すまでもなく剣道の修業には、良き指導者と良き施設が必要であります。
特に少年時代には、厳しい中にも慈愛あふれる教えや躾は、終生忘れることなく身について離れないものであります。この点、道場における指導の意義は極めて大きく、今後共、ご研鑚を積まれ、将来の日本を背負う少年の指導育成に一層のご尽力を切にお願い申し上げる次第であります。
少年剣士の皆さんも、日頃磨かれた力と技を思う存分に発揮され自己のベストを尽くし悔いのない立派な試合をすると共に、相手の良さをも学びとり、心身共に錬磨して自分自身の良き思い出としての1ページを飾ることを期待いたしまして、お祝いの言葉といたします。