6.4 旗国は、その他の実質的に利害関係を有する国が実施する調査への全面的参加によって、海洋法に関する国際連合条約第94条第7項に基づく義務の履行とみなされるであろう。
6.5 調査は、海難発生後のできるだけ早い時期に開始されるべきである。実質的に利害関係を有する国は、その他の実質的に利害関係を有する国が行っている調査につき、そのどのような段階でも参加することが許されるべきである。
7 調査主導国の責任
調査主導国は、次の責任を負うべきである。
.1 実質的に利害関係を有する国と連絡をとり、海難調査に関する共通方策を展開すること。
.2 主管となる調査官の指名及び調査の調整をすること。
.3 調査実施国の法律に基づいた調査範囲の確定及び同法律を尊重する調査の確保をすること。
.4 調査によって収集された質問の記録及びその他の証拠の保管者になること。
.5 調査報告書の準備並びに実質的に利害関係を有する国の見解の入手及び反映を行うこと。
.6 その他の調査を行っている官庁との必要に応じた調整をすること。
.7 適切な後方支援の提供をすること。
.8 官庁、機関及び調査チームに加わっていない個人との連絡をとること。
8 協議
8.1 船長及び船舶所有者に課せられた旗国当局に対する船舶に発生した海難の通知義務にかかわらず、海難又は海上インシデントが他国の内水又は領海において発生した場合、沿岸国は、遅滞なく、旗国に対し、事実及び、若し有れば、沿岸国がとろうとする措置を通知すべきである。
8.2 海難発生に伴い、調査実施国は、その他の実質的に利害関係を有する国に対し、その国の領事館又は海上安全委員会回状第781号又は第6回海洋環境保護委員会回状第2号に掲載の関係当局を通じて通知すべきである。調査実施国及びその他の実質的に利害関係を有する国は、最も早い機会に、調査の実施及び協力の詳細決定のために協議すべきである。
8.3 自国の法律に従い、管轄権内において発生した海難について、独自の調査を行うことは国の権利であり侵害されるべきでない。理想的には、2ヵ国以上の国が独自に調査を行いたいとする場合、このコードで勧告された手続がとられるべきであり、及びそれらの国は、証人への質問及び証拠の利用における軋轢を避けるため調査時期を調整すべきである。