通常の調査では、情報にある解明できないギャップを論理的補完や論理的仮定により埋めていく。こうした補完及び仮定は明示し、確実性の度合いを明記する。
最大限努力を払っても分析から確固たる結論を引き出すことはできないことがある。この場合は、最も可能性のある仮説を提示する。
2.4.1 事実認定と分析
事実認定と分析の後、事件、背景、発生時刻及び事故に至った事象の説明が可能になる。
この説明には次のような事項が含まれていなくてはならない:
- 気象状態
- 関係する作業
- 使用機器、その能力、性能及び故障
- 主要乗組員の配置位置及び事件直前の行動
- 直接関連のある規則及び指示
- 制御できなかった危険
- 事件に関わりのあった要員、手順、機器又はプロセスの変更
- 事件防止用に設置又は設置しなかった安全装置
- 事件への対応(救急、停止、消火、避難、捜索及び救助)
- 事件の影響及び負傷者の状態を軽減するため、特に、体を動かせない負傷者や死者が発生した場合にとった医療措置
- サルベージを含む被害対策
- 事件結果のすべての記録(負傷者、死亡者、損害又は環境被害)
- 船舶の全般的状態
また、下記のような即発的及び隠れた要因を特定できるようにすること:
- 作業上の逸脱事項
- 船体構造上の欠陥に関する設計面
- リソース(人、もの、金)及び機器の欠陥
- リソース及び機器の不適切な使用
- 関連乗組員の技能水準及びその配置
- 生理的要因(例、疲労、ストレス、アルコール、不法薬物、処方薬)