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2.2.7.2 質問は一人ずつ行い、事故の周辺事象をステップバイステップで質問し、被質問者自身の行動と他人の行動を説明させる。質問者は被質問者の文化及び言語を考慮する。

 

2.2.7.3 従前になされた書面による陳述に関係なく、証人の陳述の価値は質問者のスタイルに大きく影響されるので、質問者の主任務は証人の話を聞き、証人に影響を与えないようにすることである。

 

2.2.7.4 調査がチームとして活動している場合、証人が質問者の数で恐怖感を抱かないよう最大限注意を払う。経験が示すように、質問者を2人とすると効果的に質問を行うことができ、適当な場合は証人に第三者の「友人」を付き添わせる。

 

2.2.7.5 調査チームは検察の役割をしていると見なされる場合がよくあり、調査官が自分や同僚を訴えると考えたら、自由に話そうとしなくなることがあることに留意する。調査官は証言と引き替えに免責を与える立場にないが、被質問者に調査の目的及び正直であることの必要性を納得させなくてはならない。

 

2.2.7.6 更に、忍耐と理解が必要であるほかに、証人をリラックスさせ、かつ真実を語るようにさせるため「責任を追及しているのではない」という雰囲気を作ることが質問を成功させる上で必要である。責任を裁定するのは質問者や調査チームの行うことではない。事実を確定し、なぜ事故が発生したかを明らかにすることが彼らの役割である。

 

2.2.7.8 質問終了時に、論議を要約し、誤解がないことを確認する。質問を書面で記録する場合、この書面を証人と検討して違いがあれば明らかにする。国内法に従い、証人に書面の記録の写しを提供してもよい。

 

2.2.8 被質問者の選択

 

確立された海難及び海上インシデント調査の手順は海難発生後、誰を質問するか決定することを考慮に入れている。安全上の問題が質問のスケジュールでは最優先する。

 

 

 

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