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このことは調査チームをできるだけ速やかに現場に送り、最も密接な関係のある者に質問することで達成でき、海事面でいうと、まず船舶である。事件現場の地理的位置等の外部要因、あるいは政治的考慮からこれができない場合は、当座の調査を実施する現地代理人を指名することもできる。調査の運営管理という観点から、陸上の者に対する質問をいくつか実施することで調査プロセスを開始することも可能である。

港湾又は水先案内当局と直接話せない国(場所)もある。この場合、水先人が関わっている場合は少なくとも水先人の陳述書の写しを入手するよう努力する。閉鎖水域での衝突事故の場合は、陸上にいる電子監視機器のオペレータからの証拠が特に役に立つ。

質問者を選択するための「不動の」規則などというものはなく、下記にあげる例は参考にすぎない:

 

2.2.8.1 現場(事故に最も近いところ)

一般に、事故の概要を示すことのできる船長、機関長を含む船舶の管理チームから質問を始めるとよい。

- 組織内の役職/地位に関係なく事件時、現場にいた直接目撃者

- 組織外の人間であるが、事件時、現場にいた直接目撃者。例えば、係船又は係留支援者又は代理店や業者のような訪船者。

- 事件時にいたが、事件現場そのものにいなかった直接目撃者。例えば、船舶のブリッジにいて下のメインデッキでの係留事故を目撃した船舶のスタッフ。

- 事件時にいたが、事故現場そのものにいなかった船舶組織外の直接目撃者。例えば、ブリッジにいて下のメインデッキでの係留事故を目撃した水先人。

- 事件自体に関わっていないが、事故直後の状況に関わった者。例えば、損害防止、船内消火又は応急医療に携わった者。

- タグ、係留ボートあるいは水先艇の乗組員

- ヘリコプター乗務員を含む捜索、救助員

- 陸上の消防隊員

- 桟橋/ターミナルスタッフ

- すぐ近くにいた船舶

- 船舶交通サービス(VTS)又は係留システムのオペレータ

 

 

 

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