資料:業界インタビュー(日本及び韓国)
ここでは、これらの点について検証すると共に、為替水準の変化が両国の製造原価格差にどのようなインパクトを与えるか試算することとする。
現時点の日韓両国間の大型エンジン製造コストは、次の視点から試算を行った。
1) 一般に言われている両国間の製造価格格差を把握する。
2) 要素価格別に両国間のコスト格差を試算し、それらを積み上げる。
3) 費用内訳のバランスを確認する。
はじめに、業界インタビューを基に、日本の大型エンジン製造価格、費用内訳を設定した後、上記の1)から3)の全てを満たす韓国の大型エンジン製造価格、費用内訳を算出する。
このような結果、大型エンジン製造原価は、日本は150ドル/馬力、韓国は123ドル/馬力と試算される。即ち、韓国の製造原価は、日本の82%となり、2割弱の格差が存在することとなる。
試算の前提は、次の表のとおりである。特に重要な前提条件について記述すると次のとおりである。
・両国の賃金格差は、前述のように、韓国は日本の40%程度である。ただし、日本の方が社外工比率が高いこと、工費・間接費には減価償却費が含まれることを考慮し、韓国の賃金水準を日本の55%と設定した。