日本財団 図書館


(5) エンジン価格動向

韓国企業が「馬力当たり100ドル」の価格提示を行ったことが日本国内の関連業界に衝撃を与えた。「馬力当たり100ドル」は、大型エンジンをめぐって台湾・CSBCに対する商談の中で韓国企業同士で競合したときに提示された価格1である。同価格は、韓国国内にエンジン供給余力があった時に、台湾市場開拓を狙って提示されたものであり、生産コストそのものを反映させたものではない。現在では、VLCC用エンジンの場合、120ドル/馬力以上の水準にある模様である。また、エンジン価格は上昇傾向にあり、現地調査では2000年下半期で10%程度上昇するであろうという観測が聞かれた。

なお、エンジン価格の内外価格差(社外向け販売価格が社内向け販売価格に比べ安い)については、現代重工業に対するインタビューでは、「そういうケースはかつてあったし、現在でも否定しない」と、暗に肯定する回答を得ている。

 

(6) 大型エンジン生産コストの日韓比較

現在、日韓両国間で大型エンジン製造原価をめぐって2割程度の格差があると一般に言われている。(特に大型エンジンの価格差が大きく、小型エンジンの価格差は相対的に小さいことが、日韓両国の業界関係者から指摘されている。その理由として、韓国のエンジン生産設備が大型エンジン生産に最適に設計されていることが指摘できる。)その背景として、日韓両国の大型エンジン業界では次のような点が指摘されている。

 

1 韓国国内ではこの水準にまで低下したことはないとの見方がある一方、現地調査では100ドル/馬力以下まで低下したとの指摘も聞かれた。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION