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表:HSDエンジンの組織構造

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資料:HSDエンジン

 

HSDエンジンの今後の生産計画は、同社によると、2001年に90台、390万馬力を生産、販売する計画である(2000年に比べ70万馬力増加)。1工場、2工場間の生産品を調整することにより、生産能力増強なしで年間30%の生産性向上が可能であるとしている。

HSDエンジンに対するインタビューによると、同社は三星重工業、大宇重工業に対する安定的な主機供給を目的として設立されており、経営目的としては、両社への安定供給が企業収益よりも上位に掲げられている。そのようなこともあり、同社の業績に対しては楽観視することはできない。他方、事業リスクの分散と余剰人員の吸収を狙った新規事業展開の検討が必要であるとしているが、韓国重工業の事業領域抵触を避ける必要があり、新規事業の順調な立ち上がりには、時間が所要されると思われる。

HSDエンジンについては当面、不安定な経営実態が持続するものと予想される。

 

(3) エンジン部品の供給カネック

新造船建造の急増に伴い、エンジン部品の供給が追いつかないためにエンジン生産が遅延するのではないかという指摘が日本国内で一部なされている。実際、2000年春に韓国のエンジン企業が多くの日本企業に対して大型エンジン部品の供給を要請したものの、納期が短すぎたため、日本企業は引き合いを断ったとされている。同様の現象はその後、現在にかけても続いている模様である。

 

 

 

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